テレビCMやポスターなどの該当広告など、コピーライターは社会全体に大きな影響を与えてきました。
特にテレビ広告などのマス広告は、毎年の流行に大きな影響を与えます。
日本の広告コピーでもっとも有名と言っても過言ではないのが、「本日 土用丑の日」です。
うなぎ屋さんの店前に「本日 土用の丑の日」と掲げ、「土用の丑の日にはウナギを食べよう」という習慣を生み出したコピーです。
後付として土用の丑の日の時期にウナギを食べるのは栄養面でも理にかなっているとは言われていますが、元々はエレキテルの発明者「平賀源内」が閑散期の鰻屋に進言したのが始まりです。
元々の伝統があったわけではなく、この広告コピーによって習慣が作られました。
広告コピーは社会を大きく動かす力を持っています。
近年でも素晴らしい広告コピーは数え切れないほどあります。
この記事では、コピーライティングを学びたい方におすすめの「コピーライティングを学べる本」をご紹介。
絶対に知っておくべき過去の名作コピーが読める本もご紹介していきます。
【1】何度も読みたい広告コピー
「コピーライターの実力は、ボディーコピーに表れる。」と帯に書かれているようにボディコピーを深く掘り下げた書籍です。
ポスター広告には、一番目立つヘッドコピーと更に深く読んでもらう「ボディコピー」があります。
この書籍では、広告を手掛けたコピーライターが実際にどのような考えや意図を持ってこのコピーを仕上げたのかが解説されています。
様々な広告コピーの実例を知れるだけでなく、作った経緯やライターの考え方などにも触れられるのでとても参考になります。
この本の冒頭には、名作ボディコピーとして有名な7つが取り上げられています。
- 安藤隆さん「中性脂肪に聞いた」
- 岩崎俊一さん「ロケットも文房具から生まれた」
- 児島令子さん「死ぬのが怖いから飼わないなんて、言わないで欲しい」
- 国井美果さん「一瞬も一生も美しく」
- 一倉宏さん「この駅で君と待ち合わせて」
- 佐倉康彦さん「卒業って、出会いだ。」
- 前田知己さん「団塊は、資源です。」
本編は、様々な広告を取り上げ、
「顧客目線型」
「企業・商品メッセージ型」
「第三者メッセージ型」
「物語型」
の4つのタイプに分け、解説されています。
心を掴むヘッドコピーだけでなく、ボディコピーを書けることもコピーライターには必要。
ボディコピーはどんな風に書いたら良いのか?どんなことを大事にして書いたらよいのか?など、ボディコピーを書いたことがない人はわからないことだらけ。
そんな人には、名作と呼ばれるボディコピーをたくさん知ることが初めの一歩です。
ボディコピーに注目した教則本や例本は少ないので、目を通しておいて損はありません。
- 出版社 パイインターナショナル
- 発刊 2011/11/28
- 272ページ
【2】一語一絵
【著者】眞木準
「四十才は二度目のハタチ。」伊勢丹(1992年)
「でっかいどお。北海道」全日本空輸(1977年)
「十歳にして愛を知った。」ライオン事務器・ライオンファイル
「トースト娘ができあがる。」全日空
など、数々の有名コピーを書いてきた眞木準さんの本です。
眞木さんは1971年博報堂に入社後、全日空やサントリーなどの大手企業のコピーを手掛け、博報堂退社後も伊勢丹、資生堂などの広告コピーで名作を作り上げてこられました。
この本は、実際のポスター広告の写真とコピーが確認できます。
眞木準さんが手掛けてきた広告コピーを振り返りながら、眞木さんが思考法にも触れられる一冊。
コピーライターは一人一人個性が違いますが、中でも眞木準さんは非常に個性的でユーモアにあふれるコピーが多い印象です。
国中に大きな影響を与えたコピーを生み出した一人なので、コピーライターを目指す人もすでにコピーライターの人も一読しておくべきだと思います。
【3】コピーライティングとアイデアの発想法
コピーライティング養成講座を開講している「宣伝会議」が発刊しているコピーライティング本です。
第一部では、アイデアの発想法が網羅されており、コピーライター志望の方はもちろん、駆け出しのコピーライターは手元においておきたい一冊です。
コピーライティングは、どんなに数をこなしても「いいコピーってどうやって書くんだっけ?」とわからなくなることもあります。初心者であればなおさらです。
企業とのオリエンから、コピー制作の思考法、検証、コピーライターとしての日々の過ごし方など、多くの学びがあります。
第二部では、「未来のコピーライターへの手紙」と題した先輩コピーライターからのアドバイスが書かれています。
困った時にはどうしたら良いか?こんなときにはこんな考え方も良い、など具体的なアドバイスが豊富なので心強い一冊。
メッセージを執筆されているコピーライターさんは、
赤城廣治さん・麻生哲朗さん・磯島拓矢さん・岩田純平さん・岡本欣也さん・倉成英俊さん・児島令子さん・小西利行さん・こやま淳子さん・下東史明さん・菅野薫さん・谷山雅計・玉山貴康さん・都筑徹さん・角田誠さん・中島信也さん・中村禎さん・左俊幸さん・藤本宗将さん・細田高広さん・眞鍋海里さん・三井明子さん・山口広輝さん・山本高史さん・横澤宏一郎さん・渡辺潤平さん・仲畑貴志さん
など、豪華な面々。
必読の一冊であり、ずっと持っておきたいバイブル的一冊なので是非チェックしてみてください。
【4】広告コピーってこう書くんだ!読本
谷山雅計(たにやままさかず)さんは、1984年に博報堂へ入社。
1997年に独立した後も数々の大手企業広告を手掛けられています。
谷山さんの代表作には、
「セルシオか、それ以外か。」(トヨタ自動車)
「ガス・パッ・チョ!」(東京ガス)
「TSUBAKI」(資生堂)
「Yonda?」(新潮社)
などがあり、10代20代にも馴染みのあるコピーも手掛けられています。
谷山さんは商品や企業への目の付け所が素晴らしく、企業の方向性を決定づけるほどのインパクトあるコピーを多く生み出してこられました。
コピーライターを志望するなら必ず知っておかなければならない人物とも言える谷山さん。
そんな方の片鱗に触れられる書籍なので読んでおきましょう!
【5】最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法
中村禎さんは、サン・アドの仲畑貴志さんのチームで腕を磨いた手練のコピーライター。
そんな中村さんの思考法が学べる名著です。
手掛けてきたコピーは、
「おいしいとこだけ、一番搾り。」(キリンビール・一番搾り)
「いい仕事をしたひとが、いい顔になるのはなぜだろう。」(リクルート・とらばーゆ)
など、大きな影響力をもたらしたコピーを数多く手掛けられています。
この書籍は、
広告コピーとはなにか?
広告コピーを書くとき必要なこと
など、目から鱗のコンテンツが豊富です。
コピーライティングは、しばしば自分勝手になりがちだったり、受け手のことを置き去りにしてしまったりと、悩めば悩むほど悪手を選んでしまうこともあります。
そんな状況に陥らないための指南書としても活躍してくれるのがこの書籍です。
自分の書いたコピーに厳しくもなれますし、0から1の手順をサポートしてくれるようにも思いました。
コピー制作中に「悩みすぎて手が止まってしまった…」というときは、一読してみるのもおすすめです。
打開できるヒントが見つかるかもしれません。
【出版社】株式会社宣伝会議
こちらもおすすめ!広告コピーが学べる書籍
全項目でご紹介した書籍以外にも、著名なコピーがまとめられた書籍はたくさんあります。
時代を見据えた新しいコピーを生み出すには、過去のコピーの歴史や名作のコピーから学ぶのが大事です。
コピーが放たれた時代と現代は違うとしても、名作コピーから学ぶことは非常に多いです。
今は当然の常識とされていることも、実は広告コピーから生まれた概念であることもあるんです。
最近耳にした言葉も、源流にはこの広告コピーがあるのか!と発見することもあります。
コピーライティングスキルを身につけるためには、過去のコピーから学ぶのが近道だったりもするので是非読んでみてください。